No Man's Land

 チケットを見るまでずっと「ノーマンさんの土地」だと思ってました。
 重かったよ…!


 スポ誌の記事が「パンツ一丁で白旗(シャツ)を振る熱演」みたいな書かれ方だったらしく、一体どんな芝居をしているのよまーくん…と思いつつ行ってきました、久しぶりのグローブ座です。
 座席が4列目だけど超下手だから見づらいところあるかもなあと思ったんですがまーは大体常に下手にいるのでまーを見るには最高の席でした。さすが坂本名義(笑)。冒頭、下手の客席入り口から入ってくるので(真っ暗ですが)すっげえ間近に坂本くんが!!でしたよ。
 ビジュアルは、まーくん小汚い!かっこいい!でした。戦争物だからね。髪型はあれがいいと思うよっていうかほかの髪型似合わないっていうか…うん……


 さて内容。ボスニア紛争中のボスニア*1セルビア軍の中間地帯、ノーマンズランドの塹壕に取り残されるボスニア軍兵士チキ(まー)、ツェラとセルビア軍兵士のニノの話。ニノ…。と思ってしまうのは嵐ファンだから仕方ないです。
 チキが塹壕の外の様子をうかがっている間にニノがやってくる。そこに倒れていたツェラを死体だと思い、ボスニア軍が死体を動かしたら爆発するようツェラの体の下に地雷を仕掛ける。ニノはその場を去ろうとするが、戻ってきたチキに撃たれ、塹壕に留まることになる。チキとニノが睨みあう中、ツェラが意識を取り戻す。でも動くとと地雷が爆発するのでツェラは動くことができない。チキとニノも塹壕を出たら相手の軍から撃たれるから身動きが取れない。そこで、自陣に戻るためにめいめいが画策をするのだが。
 噂のパンツ一丁で白旗がわりのシャツを振るっつーのは、両陣営に両方の兵士がいることを知らせて中立の国連軍の救援を待とうというツェラの提案でチキとニノがシャツを振るシーンでした。いいケツでした(そこか)。背中というか脇腹の後ろにでっかいアザがあってちょっと痛々しかった。


 国連軍の到着を待つ間のやり取りで、チキ、ツェラ、ニノの間に敵同士ではない、人間同士の空気が流れたりもするんだけど、結局は「自分の親兄弟を殺したボスニア人・セルビア人」という憎しみが勝ってしまう。劇中のチキの台詞に「戦争は銃撃や地雷じゃなく、戦争をする人間の心のことなんだ」というようなのがあって、本当にその通りだと思った。なんていうのか、目の前にいる自分と同じ「人間」を「敵」にしてしまう戦争は、絶対にあってはならないことなんだと、平和な国に生まれて戦争を経験したことのない私でも強く感じました。月並みですが。
 シーンそのものはコメディタッチな部分も結構あって、3人でストーンズを歌ったり、彼女の話をしたり、それが共通の知り合いだったり、ともすると戦争という非日常を忘れそうな瞬間もあるんですが、でも場所は塹壕だし傍らには銃があるし、そこは紛れもなく戦争なんです。
 ラスト、わかっちゃいたけど救いなんかまったくない最後で、やり切れねええええ…となりましたが、戦争は絶対よくないものだということはそっちの方が伝わるかな。重いけど。終わった後で傾いてたけど。燕も3回みて3回とも傾いて帰ったけど、張るわー。ノーマンズランド。そう、燕と似てますこの後味。
 

 個人的には歌って踊ってハッピーエンド☆なミュージカルが観たいよまーくん!と思いますが、ノーマンズ〜はいい舞台だったと思います。重いけど。演じる方もしんどいと思うけど千秋楽までケガないようにがんばれまーくん。

*1:劇中ではボスニア人ではなくムスリム人と言っていたと思う